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【ネタばれあり】小説「幼女戦記」10巻感想 Bookwalkerに期間限定特典あるよ

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カルロゼン著 幼女戦記10巻

 

 

力を合わせて

 

って何だと思いますか?なんと副題「Viribus Unitis」が力を合わせて(ラテン語)の意味するとのことです。

 

なんかポジティブな意味で幼女戦記らしくねぇなとくすっと来ますが、本巻は戦争末期に少数の現実主義者が力を合わせて破滅から免れようとする話でもありますので、らしい副題といえばそうです。

 

肝心のターニャが転職(亡命)に傾きつつあるというのがまた皮肉です

 

(余談ですが、ロメールにお前(=ターニャ)が亡命の手土産に情報売り渡しただろと冗談で指摘される部分の漫画化が楽しみです。まだ2巻の途中ですが(笑))

 

また自国の裏切りみたいな象徴的なできごとなしに、ただ弱体化した所属国を見限る主人公というストーリー展開が可能なのは幼女戦記ならではで面白いところです。

 

他の主人公なら「はぁ?お前主人公だろ?」と思うのですが、幼女戦記のターニャが悲壮な覚悟で護国のために突貫したら「はぁ?お前(幼女戦記の)主人公だろ?(もっと保身しろ)」と思ってしまいます。

 

 

ちなみに

 

戦艦「Viribus Unitis」も実在しており、イタリア海軍の人間魚雷が湾内に侵入して吸着爆雷で沈められています。幼女戦記でも取り上げられていたんじゃないかな。

 

wikipediaによると、艦長のリーダーシップがかけており、ダメージコントロールされることなく転覆したらしいです。力あわせてねぇ。あれ?これライヒじゃね?象徴的ですね。

 

フィリブス・ウニティス (戦艦) - Wikipedia

 

 

おそろしい舞台装置「メアリースー」

 

彼女が出てくると本当に怖いですね。基本的に203大隊最強!なんで戦闘部分はまた無双しているなーと半ば読み流していたのですが、スペック最強クラスの彼女が出てきたおかげでまた緊張感が出てきました

 

最初こそアレでしたが、最近はアレなまま規格外のスペックを発揮しつつあります。8巻?くらいではターニャがしとめきれず、ヴィーシャが追撃されて逃げ切れないほど苦戦していました。

 

仕留め切れないのはしょうがないとして、共和国古強者のミケルさんを軽い感じで強襲する(このシーンは驚きました)ヴィーシャって装備込みであの世界の10指に入るんじゃね?という実力者じゃないかと思います。

 

そんなヴィーシャが苦戦って、もう大隊が大損害を被ってもおかしくない実力をもっているのは間違いないです。

 

このときの地の文に、このとき深追いせずに逃した判断を後々後悔するのである、みたいなのがあり、何らかの悲劇は決定事項?なのでメアリーが出てくるたびにその時が着てしまうのか、とハラハラします

 

特に単独行動スキルを持ちターニャと組むことが多いヴィーシャか、実力と存在感は歩けど物語上のキーキャラクターではないヴァイスグランツあたりが危険ですかね。

 

 

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 幼女戦記10巻 東條チカ著

 

 

落としどころを探り始めたライヒと予備計画 

 

8巻くらいから不穏なワードとして予備計画がどんどん具体化していっています。参謀本部お得意の斬首戦略によりクーデーターでも起こすのかと思っていましたが、なんか違いそう。

 

今回の新たな情報といえば、イルドアの鉄道計画の話でしょうか。イルドアから侵攻があった場合は専守防衛というのが本命計画だったのに、予備ではなんか踏み込んでいきそう。予備のほうが過激だ。

 

イタリアに攻め込んでも落としどころは見つからない無理筋だと思うんですが、戦史に詳しい人はピンときたりするのでしょうか。

 

管理人はミリオタではないというか、この話を読み始めるまでフランスとドイツの位置をよく間違うほどだったのでよく分かりません。

 

それにしても、「目に見える成功がないのは分かっているのに止められない」というのは自分の仕事とリンクするところがあって読書中も現実に引き戻されてしまいます。

 

もしかしたら成功という幻想や中途半端な成果主義など色々な要因が絡み合って、いち開発職の自分のテーマでさえどこかで破綻するまで(部署が赤字とか役員に怒られるとか)テーマを切れないというか切る方向に動いてもらえません。

 

自分は現場のターニャ側なのでそちらに感情移入してしまうのですが、管理職の人たちは仕事ならばこそと請け負うルーデルドルフさんに共感するのでしょうか。

 

似たような話ばかりになるので割愛しますが、ちょっとずれた方針をもつ上司の下にいたために無為に時間を浪費したというコンラートさん周りの境遇もなんか同情してしまいます。

 

 

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 幼女戦記10巻 東條チカ著

 

 

頑張れ!ドレイク中佐

 

部下は友軍の上に大規模爆弾を落とすようなことをするし、敵からは変態扱いされるし、本巻でも踏んだりけったり。ターニャの強襲を退けたりいいところもあるんですが。

 

そもそもお前が白銀の称号をとったときにどんな戦い方をしたよ、と声を大にしていいたいですね。(笑)

 

 

期間限定購入特典

 

bookwalker.jp

 

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アマゾンはいつもどおりちょっと安い

 


幼女戦記 10 Viribus Unitis

 

ちょっと中だるみになっていたような気がしますが、メアリーと予備計画の存在がまたいい感じにストーリーを展開させてくれそうで、期待です。 

 

 

漫画版の感想はこちらです。(上がネタバレあり、下がネタバレほぼなし)よければどうぞ。 

 

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