漫画「この愛は、異端」 1巻、2巻 感想 色んなものがごちゃ混ぜになっているけど本質はハートフルな気がする
こんばんは、へるもです。
ひさびさの漫画の感想です。多少ネタバレもありますので、ご注意ください。
この愛は、異端 1巻、2巻
ストーリーを思い出しての印象
家族を失いたらいまわしにされた美少女を助けたのはイケメンで家事万能な悪魔。
よつばとの大ヒット以来、男性+少女の組み合わせが増えたように感じます。ほのぼの同居ストーリーを期待させる組み合わせですよね。
実際、純真無垢で可愛らしい”よしの”と小言が多くも面倒見がよい悪魔"バアル"の掛け合いは、コミカルで微笑ましい。特にテンポのよいギャグが普通に面白く、カバー裏のおまけ漫画はキレッキレです。
性愛を含めた愛情というタブーに挑む
表紙詐欺のほのぼのストーリーなんでしょ?という天邪鬼な予想は数ページで外れていることが分かります。
悪魔は”お願い”の対価として容赦なく体や魂を要求します。それはもういろんな意味でがっつりと。
ここらへん色々と書きたいとような気がしますが、一方でゾーニングされていない本サイトではなかなかどこまで書いてもいいのやらという葛藤があります。
ただ、特に海外ドラマとかを見ていると、漫画(日本?)では性愛や性欲を描くことに対する一種のタブーがあるのかな、と感じることが多いです。
そんな中で「うさぎドロップ」に見られたような(うさぎドロップも好きですよ)無菌室的空間を鼻で笑うような描写と展開は珍しく、この作品はどんな結末にいたるとしても見なくちゃいけない、と思います。
バアルが悪魔であるという出発点ゆえのすれ違い
家族を失い、愛に飢えているよしのは何よりも自分を想って欲しい。心が欲しい。
それに対して究極的には魂を狙う悪魔バアル(ベリアル)は、体や魂があれば手に入るので心なんていらないと言い放つ。
愛が理解できない悪魔と、強い貞操観念と悪魔との契約が同居する女性の関係は一筋縄ではいきません。 お互い想いあっている中でボタンを掛け違えているだけにも見えるし、よしのが悪魔的誘導にひっかけられているようにも見える。
が、神たる読者の視点から見れば明らかに二人は相思相愛です。
魂だけが目当てだという”お題目”によしのだけでなく、バアルも完全に振り回されています。
バアルは色々な意味で圧倒的強者ではありますが、よしのの拒否は素直に受け入れ、彼女の感情に一喜一憂したりする、、、お前魂が手に入ったら心まで手に入ると思ってんじゃないのかよ!って突っ込みを思わず入れてしまいます。
本質的にはやはり純愛
ぱっと見では体だけが目当てなんでしょ!と喧嘩する年の差カップルにしか見えないのですが、その実はお互いの本質を手探りで探していこうとする二人の純愛ストーリーです。
特殊な境遇がストーリーを多層的に仕立ており、これからどうなるんだ?と興味がひかれてしまいますね。人を選ぶとは思いますが、一読の価値あり!です。