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漫画「かぐや様は告らせたい」感想(前半) 早坂の世界がすさんでいるよ 【ネタバレあり】

こんばんは。

 

かぐや様は告らせたい 19巻の感想です。

ネタバレがあるのでご注意を。

 

画像は全て18巻、19巻より引用しております。

 

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19巻。思えば遠くきたものです。管理人がかぐや様の面白さに気づいたのはどーんだYO、の回で面白さはあれどストーリーがどう展開するのか少し不安な面もありました。

 

生徒会の設定とか四宮家の設定とかありきたりなものがそろっていると不安になりませんか?(笑)学園もののチープなアニメを見て爆死しないでくれとはらはらしてしまうタイプです。

 

それがこんなに豊かな物語になるとは。

 

 

182話

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いやー会長かっこいい。超かっこいい。

 

こんなにかっこいい主人公はラブコメでは珍しいですよね。ヒロインのかわいさが注目される本作品ですが、その魅力の根幹を担っているのは彼のかっこよさに拠るところが大きいでしょう。

 

彼のかっこよさは人を理解して上げられる受容性と彼自身の強さの2枚から来ているように思います。

 

受容性に関して。

ミコの生徒会選挙のときとか、石上の停学問題のときとか、かぐやの生徒会選挙再立候補のときとか、だいたい相手がほしかった言葉をかけてあげているんですよね。

 

”俺の青春ラブコメ~~”とかもそうでしたが、この作品は理想と現実のギャップやそれへの折りあいのつけ方、人間の善意と悪意、そういうものから生まれる閉塞感や醜悪さにフォーカスしているように感じます。

 

人間って追い風には気づかないんですよね。

でも逆風には気づくし、傷つくよね。みんな知らないんだろうけど。

そんな作品感です。

 

なにが言いたいかというと、彼女ら彼らはちょっとずれていて孤立していて、そうは言わないけど傷ついている。

そして、会長はそんな人たちに自己肯定の場を与える。会長凄い。

  

書いていて思ったんですが、やさしいだけじゃなくて甘いだけじゃなくて、ギャップに苦しんでいる人が間違っていないんだと言えるようになるだけの状況を強引に作り出せる腕力が会長にはある。

 

石上の「うるせぇばーか」はその象徴です。

たぶん石上はまだ傷ついているのですが、それでも彼はそれを知らないふりをして前に踏み出しました。

 

内発的に克己した石上のレベルまではいたらなくても、生徒会選挙後のミコの立場は絶対よくなっているでしょう。自他共に彼女を認める形で。

 

そして、その担保になっているのは会長の信念と実力なんだよなぁ。

あの会長が認めた、あの会長と対等に議論できた、そんな風に思われる会長だからこそ、彼から言葉をかけれらた人は救われるのです。

 

(ちなみに藤原書記も自信、信念、実績という意味では会長と同じかそれ以上のポテンシャルを持っているのにあの扱い(笑))

 

今回、彼が打ち抜いたのは早坂愛の壁でした。

早坂は有能で美人で、それらが武器になることを知っているのに自信ないパーソンです。自分は好かれるような人間ではないという自己嫌悪と、仕事だからかぐやを助けるんだというペルソナが彼女を縛ります。彼女は無償の愛を信じられません。

 

 なのでヘルプサインに会長が気づいてあげてくれてよかった!!

 

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 前巻で身だしなみを整えながら泣いているのをみてすげーつらくなったので、会長がいてよかったなぁと思います。そのまま会長ルートいっていいんですよ?

 

早坂回と見せかけた会長回のようだった話でした。

 

最近デフォルメされたかぐや様が凄いかわいくかけるようになっている気がします。「四宮家のかぐやさん!?」

 

 

183話

 

早坂さんが周りからどう見られているか、早坂さんが周りをどう思っているか、というのが本筋ではありますが、結局のところ早坂は自分のことが嫌いなんだろうな、そんな悲しさがありました。

 

早坂って実は「彼女たちは友達ではない」「彼女たちは利用するだけの存在だ」そんなことはまったく言っていないんですよね。

 

ただただ、自分のような行いをする人間を周囲が好きになるわけがないといっており、これはもう自分は友達であるとえるような資格のある人間ではない、といっているのと同義ではないでしょうか。

 

なんとなく子供っぽいなとも思ってしまうのですが、彼女の悩みは深刻です。何しろ7歳くらいのときからやりたくないことを強制させられ続けているのですから。自分を嫌いになるには十分な動機と時間です。洗脳に近い。

 

トイレで取り押さえられそうになっていたときスカートがまくれあがっていましたが、後の話をみるにナイフを仕込んでいたんですよね。

旅行にナイフを仕込み、躊躇なくそれを出そうとする彼女の世界は本当に荒んでいます。上流階級は何でもありの世界観ですが、武器を所持している人間は彼女だけでは?うぅ、、、つらい。

 

でも我らが会長様はのたまいます。心を開けば、と。

一歩踏み出す勇気というのは作品共通のテーマです。早坂がんばれ!

 

 

184話

 

 「そんな人は許されてはいけないんです」

友達が自分の秘密を他人に話してしまったと落ち込むかぐや(子供)にかけた早坂(子供)の言葉。うーむ。これって絶対自分に言っているよな。

 

ギャグシーンなのに重いんですけど。。。

 

会長は残念ながらぽんこつです。五等分の花嫁もそうでしたが、最近バイクがよく出てくる。

 

そして副会長もポンコツだぜ。全てのシーンが笑いになっているのですが、その空振りがかぐやに与える痛みを考えると笑えないです。

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あの場所が分からないかぐや様

 

 

人身掌握に長けた?かぐやをして心の内側を見せないと称される早坂は少しかっこよい。

 

長くなってしまったので、分けます。

 

 

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