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映画「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」感想 感想はやはり無名が可愛いになるのか【ネタバレあり】

こんばんは、へるもです。

 

映画「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」の感想です。本編のネタバレを含みますのでご注意を。

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映画「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」より

  

特殊な放送形態

実は映画なのか何なのかよく分かっていません。私は映画で見たのですが上映は2週間限定ということで、どちらかというとアマプラやネットフリックスでの視聴が本命なのかな?

個人的には派手なアクションを映画館の大スクリーンで見れてよかったなと思っていますが、家で気楽に見れるのもよいですよね。何よりストリーミングサービスのほうが儲かるのであれば、もっとその道を行きできれば続編を!

  

 

ストーリー

元の住処を脱出し金剛閣を目指したのが本編でした。その後のストーリーである映画版では元の駅に戻りコメを耕すことが目的の旅のようです。

本編後半では敵がかばねから人に変わって内戦状態のごちゃごちゃになり、ストーリーが見えにくくなっていたのが残念な部分としてありました。このような分かりやすく、主人公と主人公一行が同じとこを目指せる目的がある、つまりストーリーに一つの筋があるというのはいいですね。

 

 

旅の絆

さらにアニメ版を経て深まった菖蒲一行の絆がわかりやすかったのが良かったです。人か、かばねか。噛まれるとかばねになるという設定がある以上、あの国においては疑心暗鬼がつきものです。さらに映画版の時代ではトップの組織が壊滅したせいで細かい勢力争いが起きています。

 

新天地でひたすら疑いの目を向けられるのは当然、かばねり(特に生駒)なのですが、動揺はあれど菖蒲一行は一枚岩です。来栖なんて凶暴化の兆候を見せた生駒に対して「あいつは真実を外したことはなかった」という迷いのなさっぷり。おいおい、よい理解者すぎだろう。

 

 

敵のお殿様と生駒を分けたもの

今回のラスボスはかばねりのお殿様でした。最前線で戦い続けて領民を守っていたのに、結局は人かかばねか、という問いの答えすら得られないままに娘が殺されてしまうという。。。なんというバッドエンド。

 

ここらへんは主人公たちとの明確な対比の表現ですね。かばねりになった生駒にはタクミという友達がいてお殿様の傍には誰もいませんでした。(最後に死んだおっさんが惜しかった)

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甲鉄城のカバネリ」 2話より

 

怯えはしたりしていたものの、かばねりになった生駒の友達であり続けていた彼がいたからこそ、生駒はかばねりとしての生を認められ、甲鉄城の一員になれたのです。タクミは本当にいいやつだな。今回ちょっとでも出ていて嬉しかったです。

アニメ版はストーリーがぶつ切りだった、みたいな話を最初に書きましたが、作品の根底のにはずっと「お互いを思いやっていればきっと大丈夫」というメッセージがこめられていたのかもしれません。

 

 

生駒は?

そんな生駒は無名のピンチに駆けつける王子様でしたね。そりゃ無名も赤面しちゃいます。感想を書いてみて思いましたが、今回は主人公らしさはあったものの、彼のストーリーじゃないな、って思いました。

 

 

今回の主人公は無名?

主人公というものの正確な定義は分かりませんが、生駒は舞台装置であり続けたように思います。

主人公って悩んだり、成長したりするポジションにあってこそだと思うんですけど、今回の生駒は証拠はねぇけど俺が正しいんだ!っていっていきなりかばねモードに入ったりしたり、無名を襲ったり、相変わらず繋がれたり、、、アニメ版の無名さながらのトラブルメーカーでした。

じゃぁ無名が主人公かというと、それもなんか違うような気がするのですが、ストーリーは彼女を中心に回っていましたね

 

 

無名のその後を描きたいから続編ができた?

本作品を語る上では無名の魅力をスルーすることはできません。ネットでカバネリの感想を調べると1:1:8=和風スチームアクション:Viva Summer(TVのラスボス):無名、くらいです。映画版でもかっこかわいかったですね。

上にも描いたとおり、彼女の戦闘能力の高さは健在で見ていて楽しかったです。銃をくるっくる廻したり低弾道で(ここ重要)すっとんでいくシーンを好きでない人はいないのではないでしょうか。

  

TV版では無名は”カバネリの世界における弱者”の象徴だったように思います。いくら敵を倒す能力があっても、生駒や兄様、後半からの菖蒲のように自分をもった”強い"意思がないと生きていけないのがカバネリの世界だ、そういったことを暗示させるための存在だったように思います。結局、無名は"武器をもっただけの子供”でした。

 

 

兄様を失った無名は?

映画では少しニュアンスの違う味付けがされているように感じました。

 

プレゼントを照れながら自作し、渡すときは二人になったタイミングでっていじらしすぎる。。。生駒に守られるたびに赤面するとは、無名ってそんなキャラだったんですね。

これだけだと無名も女の子だもんね、って感じなのですが、なんかところどころ妙に艶っぽく描かれている部分がありました。

 

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映画「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」より

 

生駒との取っ組み合いの果てにこの表情。映画を見ていると分かりますが、ここは凄い気合のはいった作画になっています。いきなり線が細くなったり、男である生駒に対して、無名の女性的な儚さ、みたいなものが画面に表現されていたような気がします。

 

TVでは子供で兄様に唯々諾々と従うだけの無名でしたが、映画では生駒という恋の対象を置くことで子供(=守られるだけの弱者)からの脱却がはかられており、無名の変化がありありと感じられました。世界がどんどん進んでいるのだなと思いました。

たぶん作画の人がエロかわいい無名を書きたかっただけだと思いますけど、、、

 

今後があるのかよく分かりませんが、続編をみてみたいですね。

パンフレットとか劇場では売り切れで、ヤフオクで2~3倍になっていますし、ある程度の需要はあるのではないかな。

 

 

カバネリってかっこいいよね

話題になるようでなりませんが、私はカバネリで使われている表現がとても好きです。この新作映画をみて再度その認識を強めました。

 

至高の和洋折衷

「和」がメインになっているのがとてもいい。昔から思っていたのです。かっこいいもの=「欧風」だなって。「和風」でかっこいいものってないのかなって。

これは西洋のものが原理的にかっこいいとか、日本文化の西洋化によるものだ、とか色々とあるのでしょうが、一番は「洋」を表現し続けるうちにそのかっこよさを存分に発揮できるものが選ばれ残ってった、ということではないかと思うのです。アーサー王伝説とか、西洋風の魔法とか、かっこいいですよね。

 

一方で、「和」はどうでしょうか。「るろけん」や「ナルト」、「ブリーチ」など少年漫画勢が頑張ってはいるものの、いわゆる”なろう”小説で和が出てくるわけでもないし、ハリウッド映画ででてくるわけも勿論ない。「和」でかっこいい表現を出すための切磋琢磨がなかなか働かないように感じます。

 

そんな中でのカバネリは、というと。

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映画「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」より

 着物にニットに黒ストだぞ!!

 

基本的に和をベースにしているのですが、舞台が近代くらいということを反映してか、まるまるの和ではなく、なんか不思議な格好をしています。が、それがいい。

まじめに話しても面白くないので少しネタ要素を含む話し方をしましたが、この和洋折衷ぷりってすごいと思うんです。明らかに西洋(あるいは現代)風な格好している人がいるのに、カバネリを見て「和風」と思わない人はいないでしょう。

ニットに黒ストを着ていても、ここで使われているのは「和」の表現なんですね。これを含めたカバネリの表現が「和」のかっこいい表現かといわれればよく分かりません。ロッコンショウジョウ!とか微妙に外している気がしますし(盛り上がらない)。でも、「和」の美味しい味付け方をこうも大胆に示したのは最近ではカバネリくらいだと思います。こういった作品郡の局地にかっこいい「和」があったりしたらよいな。

 

 

高クオリティアクション

上ではあたかも”まだ”格好良くない、とでも言っているような文章になっていますが、カバネリがかっこ悪い?そんなことはありません。アクションやべぇ。

無名とか絶対スタッフに愛されているなって感じですよね。鉄砲くるくるアクションが大好きです。アニメ「シロバコ」で快感のある動き、という言葉がありましたが、具体的にどんなもの?と聞かれたら私は「カバネリ」を推します。

 

何でこんなに気持ちよいのだろうな?とTV版を見ながらずっと思っていたのですが、なんとなく感じるのは「重心を感じる絵づくり」であり、そこからくる「緩急」が非常に美しい、ということです。これについてはあまり言語化する術を持ちません。イチローのレーザービームや、肉食動物が本気で走り出す様にあるような「タメ」が鍵なんだろうとは思うのですが、とにかく凄いかっこいいとしかいえぬ。

 

こんないいものが見れて満足です。願わくばまたこんな出会いを。

 

(追記)

よい記事を見つけたので貼っておきます。

https://entertainmentstation.jp/434193/2

個人的には鉄道の安全確認をしているところにびっくりしました。確かにやっているわ。でもそこまでやるのか。みたいな(笑)

この記事でもそうだけど鰍に触れられていないのが悲しくはあるかも。無名とセットなのでどうしても無名可愛いに意識を引っ張られるんだけども。