漫画「幼女戦記」12巻 感想 ヴィーシャもやはり臭かった。そして戦争の狂気が凄かった【ネタバレあり】
映画もあとちょっと公開ですね!
ずっと戦争戦争のシーンが続いてきましたが、今回はハイキング回です!幼女戦記食堂とのコラボかな?
もちろん違います。
というか今回はちょっとまじめです(笑)
小説12巻の感想はこちらです。
漫画「幼女戦記」12巻 東條チカ著
映画にあわせてラストスパート?
幼女戦記の刊行ペースが早すぎなような?月刊誌でこんなに出せるものなのか(笑)
10巻と 11巻の感想を見てみると、10/1と11/25あたりに発売です。2ヶ月ペースで出ているぞ・・・間に2話しか出ない計算では?と思って目次を見てみると12巻はたった3話!
1話あたり70ページ!
週刊誌がたしか20ページくらいだったので普通に毎週出してるくらいなんですね。
1/26にコミカライズ版幼女戦記の12巻が発売となります! 今回は、たのしいピクニックの様子をお届けいたします。 13巻も近いうちにお届けできるよう準備が進んでおりますので、以後もお楽しみに! pic.twitter.com/Fylyx6wlFt
— 東條チカ (@yooochika) 2019年1月23日
そしてまた近いうちに13巻が出るという。(笑)
アニメ化や映画化にあわせて新しい巻を出版するというケースが多いように思いますが、これもそうなのかな?
ファンとしてはうれしいですが、アニメ化が発端で連載がとまりかけたワールドトリガーみたいにならないといいですね。
劇場版は2/8公開です。(宣伝)
あいも変わらず補完がうれしい
漫画「幼女戦記」12巻 東條チカ著
メディアミックスでうれしいのはやはり補完ですよね。
中身がおっさん、外見は子供というターニャが新米たちに「これだから若いのは・・・」と言い放つシーンはギャグ要素として原作にもありましたが、さらっと流されていた感じがありました。漫画ではもう少し豊かに表現されています。
発言と外見のギャップに戸惑うお偉いさんというのは単純に面白いですし、今回の補完により”周りが勝手に勘違いしてしまう”というシーンにも説得力がうまれるなーと思います。
人間はよくも悪くもテンプレートで状況を理解するというのが普通です。例えば、おっさんが喋っていたら、「世間のおっさん」はまずこんな感じというパターンが思い浮かび、それから今喋っているおっさんが言っていることはこんな感じなんだろうという解釈が入り、それは概ね間違ったものにならないでしょう。
ですが、歴戦のつはものなれど幼女というギャップは、「歴戦のつはもの」と「幼女」、「頭の回る人物」といういくつものテンプレートをもっているが故に、何を基準にその人物を判断したらいいのかが難しく、勘違いが増幅されてしまうのでしょう。
まぁ混乱するよなぁという感じです。
世の中の勘違い系漫画でこれほど説得力があるものがあっただろうか!(反語)
絶対そんな示唆が含まれている場面じゃないけど。
それにしても確かにもっと見たかったんだよな、というシーンを狙い撃ちして補完できるのは凄い。
敏腕なのは漫画作者か、担当さんか、どっちなんだろう。ここらへんはきっとAIにはまだ難しいじゃないのかな。
ヴィーシャも臭い
漫画「幼女戦記」12巻 東條チカ著
めっちゃ爽やかな顔ですげーこと言ってるな。
もうここは戦争の狂気を感じずにはいられません。何歳なのか実は知りませんが、ターニャが親近感を持つくらいには若く、でかけるときには化粧をするくらいには大人の女性。それがヴィーシャです。
それがよりにもよって「私も臭くなるんですよ」って(笑)ライン戦線(一周目)では寝る間を惜しんで体を拭いていたのに図太くなったものです。
これまでも微妙に文脈の中で臭わされていたのですが、やはり体臭は凄いんだな。このよなことがこうもはっきり出ると、他の「そうなのかそうでないのか分からないけど、それっぽい」シーンもやはりそれだったのだろうと思ってしまいます。
つまり、大隊結成のための真冬の対拷問訓練では「下着も脱げ」といわれている描写がありましたが、きっと脱いだ。うーんエロ、、、くない。きっとくさい。
ああ過酷なる戦場
絵にすると戦場の怖さがはっきりと出ますね。自分はどうしても、エースの領域にいる大隊のメンバーより新兵に感情移入してしまいます。
典型的な弱きゃら描写ということが分かるのですが、魔道を使わないことに不満をいただいたり、なんやかんやと英雄的活躍を夢見てしまったり。
そんなぐだぐだシーンからの戦場は薄ら寒いものがありました。ちょっと訓練しただけで連れて行かれるのは人が生きる死ぬが簡単に決まる場所です。考えただけで怖くなる。
漫画「幼女戦記」12巻 東條チカ著
顔が半分とんじゃってるし・・・鋼の錬金術師で見たな。
幼女が大好きなスコップの強力さを嫌でも分かってしまいますし、自分がもう少し早く生まれていれば、違う国に生まれていれば、こんな人生だったかも知れません。
逃亡シーンでは新兵もふっとんでるし。こえー
匂いを気にしていた女性モブはあれ以来でてきません。。。彼女も第7訓練小隊なのですが、安否が気になります。
漫画「幼女戦記」12巻 東條チカ著
そしてこのサイコパスっぷり。
損害二人かふはははは、よくやった、と思うことを理解できないわけではないです。ただ、全力で自分を肯定できるか?というとそんなことは思いませんね。(笑)実はいい人なのではという描写が時々挟まれていますが、基本的にこの人は合理的過ぎる合理主義者です。そして、帝国は善良な人間よりもターニャを必要としています。
うーむ、戦争って怖い。
後で出てくる話ですが、搭乗者の生存率や味方への航空支援を考えるとA-10飛行機の天使っぷりが半端ないです。
ゼートゥーアが壊れた
漫画「幼女戦記」12巻 東條チカ著
ついに近代的な国家間の全力戦争への一歩を踏み出したのですが、、、ゼートゥーアさんの笑顔が怖い。この笑顔はターニャのだ(笑)
小説では先進的な意見をとりいれる、って感じでターニャの意見を受け止めていましたが、漫画ではもうターニャの狂気が「乗り移った」とした思えない。笑顔が怖すぎます。
帝国参謀本部の俊英がこれというのは、世界の変遷を感じてしまいますねぇ。
というのも、これまではあくまで理性に基づいた判断をしていたと思うのです。こちらとあちらにコレくらいの戦力差があれば相手は降伏するだろうという計算の下に、(恨みを買いすぎても講和しにくいので)殺し過ぎないように死に過ぎないように、という配慮があったように思います。
しかし、この場面は相手を殺し尽くせば勝ちなんじゃね?という極論にいたる第一歩踏み出そうとしているところであり、それをこの笑顔に感じてしまいます。
決してそんなことはないのでしょうが、ゼートゥーアさん壊れたな。的な。
あと、話がずれますが、ちょっと面白かったのは食あたりのタイヤネンがやたらとフィーチャーされていたことですね。(笑)
なんでこのシーンに着目したんだ。と思いますが、個人的には軍オタな誰かが編集部にいてA-10を登場させたかったからでは、と思っています。
次はついに都市部での戦いですね。大いに期待です!
最新18巻の感想と、当ブログの人気コンテンツ「幼女戦記 感想」カテゴリはこちらです。
herumo.hatenablog.comherumo.hatenablog.com
ちなみにAudible(初回登録30日無料)では幼女戦記もありますよ。