社会人はリラックスしたい

社畜の馬小屋

漫画の感想とか、馬術とか、投資とか、ファッションとか(旧社会人はリラックスしたい)

コミケの思い出とC97の戦利品 宇宙よりも遠い場所本の感想を少し

3度目のコミケにいってきました。C97でいいのかな?

行くのは3度目といっても、最初の2回はなんとなくウロウロしてみたといった程度です。 

 

 

コミケの思い出

1度目は学生時代の夏コミに行きました。東京旅行の計画をしているときに「げんしけん」に出会い、ちょうどお盆じゃん!いけるじゃん!と興味をもったのがきっかけです。

 

初めてアニメイトに行ったのもこの時でしたね。

なんかもっと凄いものをイメージしていたのですが、ラノベや漫画の取り扱いが多いだけの普通の店でなんだかがっかりしたことを覚えています。(笑)

 

準備としてカタログという電話帳みたいなものを買いました。

なんとなくの予備知識はあったのですが、初めてみるそれは文化祭や学園祭のパンフレットみたいだ、と思ったことを覚えています。そして、1ページ1ページ、丁寧に見たものの意外に情報量が少なく、結局コミケ会場には持っていきませんでした。重いし。

 

今振り返ると、あれは地球の歩き方のようなガイドではなく、海賊が持っている宝の地図のようなものだったのかな、と。

ここらへんにお宝があるんじゃない?でも現地に行かないとそれがあなたにとっていいものなのかは分からないよ?的な。

 

結局会場を訪れたのは最終日だったように思います。コスプレエリアを歩き回って、当時(周辺で)流行っていた「ひぐらしのなく頃に」の同人誌をおみやげに買って帰りました。

まだ未プレイの管理人にとって、この本はひどいネタばれをしていたのですが、失礼ながら話と絵が雑で何も察することができなかったなぁ。

 

代表の方(?いまだによく分かっていない)の訃報と黙祷や、閉会の拍手が印象的でした。

今ではその風潮も弱まったという話も聞きますが、オタクって公式的に迫害してもいい対象でした。理由は色々あるのでしょうが、そんなわけでオタクであることを表に出さない、というのは一種の作法でした。

それがコミケの場には、こんなにもオタクがいて、それを引っ張る人がいて、会の終わりを皆で拍手で締めれる、そんな場があることがあるんだ、と驚きました。

 

別に生きる希望が沸いたとかそんな大層なものがあったわけではありません。

が、狭い部屋の中にある小さな窓をのぞいてみると大きな未知の世界が広がっていた、そんな気分になったのも事実です。

 

帰りはゆりかもめがすっごく混んでいたので、歩いてアニメデジモン聖地巡礼をしたはず。

 

2回目は冬コミです。

夏よりも冬のほうが過ごしやすいなと思ったことだけ覚えています。社会人になっていたので何か気になるものがあれば買ってみようと思っていたのですが、結局買いませんでした。

好きなものを吟味して探すという消費行動をする管理人にとって、瞬発力が必要な同人誌即売会というのはなかなかに厳しい場でした。

 

 

3回目

それから時が経ち、いざビッグサイトへ!

 

今回はこれまでの反省を生かしてほしいものをチェックしていきます。

それがこちら。

 

この作品の存在を知ったのはpixivがきっかけでした。

ここすき!よりもい!! 無料公開版www.pixiv.net

 

今はpixiv上で公開されていますが、元になった本は同人誌ということで、新しい本がでるならこれは買ってみたい、と。

正直なことをいうと、1年経てば公開されそうなので(されるかは分からない)、行くのめんどくさいなーという気持ちもありました。が、ここに行けば何かが分かるかもしれないと、とにかく南極を目指す報瀬のような気持ちでコミケ参加を決定しました。 (笑)

 

目指す場所は南ホールの2Fにあったのですが、最初にたどり着いたのは4Fでした。下りたいのですが、エスカレーターは上りのみ。

さてどうしたものやら、、、とうろうろしていると警備員のおばちゃんがエレベーターの存在を教えてくれました。感謝。

 

そんなこんなでたどり着き、作品を手に入れることができました。

両隣?には別のサークル様が宇宙よりも遠い場所の本を出していたのでこちらも購入。複数のサークルで購入することはあまり意識していませんでしたが、うれしい誤算です。

ちなみにこれは他にもサークルがあるのでは?とホールの2Fと4Fをくまなく探しましたが、他には見つけられませんでした。この作品ってこんなに人気あったんだ!みたいな発見もありましたが、基本的には徒労でした(笑)

 

5000円くらいでしょうか。同人誌って高いですよね。いや、商業誌が安いというべきでしょう。

社会人になった今、5000円=飲み会1回くらいなのでまーいっかってなるのですが、学生にはやっぱ厳しいのでは?ネットのまとめでみる鞄いっぱいの同人誌って凄い額かかってそう。

 

帰りはコスプレゾーンをみてかえりました。ナッシーがすげー目だってた。一番の美女はリゼロのエミリアさんだったかな?

 

 

本の感想

・Yuzuki Visual Maniax

上記のpixivの同人誌をみてもっとぼーん!みたいな本を想像していたのですが、20ページほどの本でした。

次に完成号が出るということなので、これは見本誌というか途中経過を報告するための冊子なのでしょう。準備号1→準備号2→完成稿、みたいな。「準備号」って何?と思っていたのですが、そういうことなんですね。

 

やはり本を作るというのは大変なことで、色々な仕事や事情の合間につくっていくもんなんだな、というのが垣間見えます。後に紹介する小説は製作に4ヶ月かかったと仰っていました。うーむ、凄い。管理人なら途中であき(らめ)ます。

 

前置きが長くなりましたが、本作品は結月さんのファッションや小物についてまとめられていたものです。

身につけていたのはどんなものか、小物はどんなものなのか、など。

少しでも違う結月さんが出てきたら言及してやろうという気概が見えるようでシンプルながらも熱量を感じる本です。それもただ違いについて言及し、まとめたようなものでなく、「このときのこの格好は、、、」みたいな考察もなされているので飽きずに読めました。

 

色々なことが書かれている中から何に多めに言及されているか観察してフェチを見破ってやろうと思ったのですが、本当に色々と書かれていてそんなことはできませんでした。

あえて言うならおでことソックスかな。「作中で結月さんが黒ソックスをはくのはこのときだけ!貴重!」

まぁでも所謂嗜好としてのフェチというより、嬉々として解説するさかなくんさん的な感じかも(笑)

 

この本の魅力はなんといってもデフォルメされた可愛い結月さんがいっぱい載っているところ。だいたい(1_1)とか(T-T)とかみたいな顔なんですけど、しっかり結月さんだと分かるのが凄い。

結月さんの髪型がかわるところが好きなので、色々と載っていて嬉しい限り。あとちょっとしたセリフとかも載っていてアニメファンとしてニヤニヤしました。このシーンやっぱいいですよね!的な。

 

ちょっと残念だったのは4人のときは~みたいな言及がなされるとき、その対比がよく分からないってことでしょうか。何しろ結月さんしかお姿がないので(笑)これはしょうがないことでしょう。

 

完成号が出るのは来年かな?楽しみですが、コミケのために年末年始に時間をとるのは難しいしなぁ。あと、本の実物がほしくもありながら、物を増やしたくないのが難しいところ。

昔は選択肢がなかったですが、電子書籍という選択肢ができてからここら辺の判断が難しくなっていますね。

 

 

 ・そういうとこですよ、キマリさん

上の作家さんとは別のサークルです。

 

74Pほどの文庫本です。タイトルからなんとなく結月とキマリの話がメインなのかなと思っていましたが、4人とも出てきました。

ラノベも漫画も3巻まで読まないと価値が分からない派の自分としてはネットで公開されている数ページのものは少し物足りないです。こういう読み応えのあるストーリーを読ませてもらえるというのはありがたい限り。

 

内容は高3になったキマリたちのお話です。よりもい1year after。高3組は受験中で、結月は朝ドラ親友役という大役に抜擢されましたが、それでもちゃんと会えている4人にほっこり

と書くと詐欺かもしれません。実際はチョコという季節感が与えられ、その季節感とよりもい本編のギャップを利用した第二次南極観測隊のお話だったと思います。4人だけでなく、弓子さんとかも出てきます。

女子高生の溶かして固めただけのチョコ(ただしメッセージつき)がプレミアム扱いされているのがおもろい。でもそうなるよね(笑)

 

あと、満遍なくというわけではないですが、登場人物それぞれの一人称視点と感情描写があったのがよかったです。

群像劇めいた本作品はちょっとした時間で感情を描写するのがうまかったと思います。

キマリたちとの交流がそれほど描かれなかった保奈美ですが、別れで泣いていたり、あぁ仲良くなっていたんだろうなぁということが分かりましたよね。そういうところ

 

この文庫も細やかな感情の変化がちりばめられており、原作の空気感を感じられる作品でした。セリフを呼んでいると声優さんの声で再生され(原作とは別のセリフなのに!)、行間では劇中歌が頭の中で勝手に流れます。

 

 

ちょっと面白いと思ったのは報瀬、日向、結月の3人は管理人の中の3人像と合致するのですが、キマリは少しずれていた、という点でしょうか。

この作品から受けたキマリの印象は少しマイペースで、一途で、他人の感情を大なり小なり上下させる主人公。いるじゃないですか、普段は馬鹿キャラだけど大切なことははずさない、ってキャラクター。そんな感じ。

 

管理人の中ではキマリはもう少しぼやっとしていて、振り回される方なんですよね。旅before/afterで行動スタイルの変化はありましたが、それは一瞬のきらめきのような。

 

この感じ方の差が凄く面白い

別に私のキマリのほうがキマリらしい、あなたのキマリのほうが正しいということがいいたいわけではないですし、ましてやそこに上下、善悪をつける気もありません。

 

昔、コミケで同人誌を買う友人が「作家によって違う姿を書いていて、それを見るのがよい」といっていました。このときはそりゃそうだろ、くらいの気持ちだったのが、10年越しに腑に落ちたような気がします。

 

 

・最果てドリーム

「よりもい7年後」

帯に載っていた言葉ですが、なんてキャッチーな言葉なんだ。

上のYuzuki Visual Maniaxを買ったあと、立ち去ろうと思ったのですが、思わず脚を止めてしまいました。

結論から言うと脚をとめて本当によかった。200pの超大作です。字が大きめなのでラノベ換算にするともう少し短いかもしれませんが。

 

7年後と書いていますが、大学→就職活動→アラサー(四捨五入)を描いた作品になっています。作中で南極再訪を誓う彼女たちでしたが、それってやっぱり難しいことじゃないですか。

女子高生というブランドもなく、結月というワイルドカードだって使えません。そんな現実と願望のギャップを丁寧に埋めていき、そしてその延長戦を想像する作品でした。

 

この本のお気に入りなところは2つあって、1つは社会的な変化を描いているところです。

 

キマリたちはもう女子高生というある意味最強の個体ではなく、社会を構成する要素のひとつになっていくわけです。就職活動だったり、恋愛だったり、物語の枠外の存在との係わり合いは必然です。

それがきちんと提示されており、ああ、ちゃんとこの世界で生きているのだなと感じさせてくれました。

 

加えて、キマリたちという女子高生がどんな影響を与えたのか?そんな部分がうっすらと、だけど明確に描写されていました。

本筋とは関係が薄いのでがっつり書くとくどくなってしまうでしょうが、ないと寂しいのでここらのバランスは絶妙でした。

 

もうひとつは嘘くさい部分が見えないところ。

特に大学や組織、南極での活動の描写がしっかりとしており、安心して読めました

 

本筋になるのは登場人物がどう考えてどう行動するかという物語で、その必然性は間違いなく重要になります。

が、いかにそこが整っていたとしても、それを支える環境の描写に突っ込みどころがあると一気に現実に引き戻されてしまうんですよね。

 

その点、本作品はそういったことはありませんでした。

たとえば大学の描写。ある人物があるプロジェクトに応募するのですが、そこで選ばれる理由は、優秀だからとか女子高生南極隊員の実績を重んじてとかではないのです。

割とコネとか周囲の助力に助けられたという描写なんですね。ここらへんは割りとリアル。

 

フィクションにリアルを求めすぎるのは愚劣ではありますが、フィクションを信じこめるだけのリアルは必要だなと思っています。

そういった意味で、割と難解そうなものを物語の中に落としこめているのは凄いなと。

 

メロンブックスだったかな?どこかで委託販売をしているとのこと。お勧めですのでぜひ!

 

あと、もう少し購入しましたが、まだ読みきれていないのでここで一旦筆をおきます。