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【G検定】日本ディープラーニング協会さん検定料を半額にして集めた受験者をなぎ払う? G検定の取得はしばらく様子見のほうがいいのでは

こんばんは、へるもです。

 

7/4にG検定という資格試験を受験しました。というのも、今回はstay homeに伴ってできた時間を勉強に当ててくださいということで、受験料が半額(12,000→6,000)だったんですよね。

 

 

結論

2020年に入りG検定の出題傾向が大きく変わりました。

色々といわれていますが、テキストとの乖離が大きい点、今のG検定をとるために勉強してもビジネスには役に立たない点からG検定取得はおすすめしません

出題範囲はこの中からですよ、という本が出たりしたらありかなと思います。

 

代わりに、study-AIの模試(無料)を解いて分からないことを勉強して、関連の書籍を何度も読むのが一番かと思います。 書籍についてのお奨めは最後のほうに書いておきます。

そこだけが知りたい方はお手数ですが、れっつスクロール!

 

 

挑戦者たち

G検定には興味があったのですが、これまでは受験していませんでした。

こういう資格は、それを取る過程で勉強することが役に立つことはあっても、資格自体はあまり意味がないのが常です。1万円を超えるなら受講はしなくてもよいなかなぁと思っていました。

が、今回はなぜか受験料が半額になるということだったので、それならやってみるかと思いました。

 

  

同じように考える人も多いようで、これまでの受験者数が2.2万人に対して、今回だけで1万人以上でした。直近と比べても2倍くらいの人が受験していそうですね。

 

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JDLA、2019年第3回G検定を11月9日に実施、累計合格者数は14523名に:CodeZine(コードジン)

 

 

内容と想定された難易度

そもそもG検定とは何ぞや?という部分では、日本ディープラーニング協会(JDLA)が使っている表現を使うと下みたいな感じです。

 

ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材(ジェネラリスト)

「知識を体系化し、ビジネスでの活用へ」

 

AIというとプログラミングが必須な技術分野の話にも聞こえてしまいますが、実際にはそれをどこに使うか?ということを考えたり、法律的な問題をクリアしないといけません

G検定というのはそういった周辺知識を持ちビジネスに役立てることができる人材(=ゼネラリスト)であることを認定するための試験だ、というのが私の解釈でした。

 

実際、G検定の公式テキスト(通称、白本)にはプログラミング要素はまったく出てこず、AI研究の歴史や重要人物、AIで何ができるか?という部分が記載されているにとどまります。

 

 

難易度

事前に調べたところによると、それほど難しくないようでした。

白本をみてもそれほど量がありませんし、評判のいい対策試験集(studyAIから出ている本、通称黒本)もきちんと勉強したら簡単に90%の正答率がとれます。

 

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文系の営業職でもAI資格「G検定」に合格できた方に対策を聞いてみた! | IT資格の歩き方

実際、中には一週間で合格したという人もいますし、落ちた人の記事でも、落ちた理由に「ろくに勉強していない」が堂々と書かれるくらいです。

もっとマシな理由はなかったのか、、、!

 

ここから想定されたG検定の立ち位置は、資格自体には意味がないけど、AIについてさらっと学習できる、というところでした。

 

 

 本番

 難しい!!

想定異常の難易度に試験終了直後からついったーは阿鼻叫喚という感じでした。

 私も白本、黒本の正答率を90%に上げた上で、AI白書も一読して臨んだのですが、普通に難しかったです。絶対に落ちたというほどではありませんが、不合格というのは普通にありえます。

 

  

雑感 

模試などと比較して、これまでと違うのは3(4)点だと感じます。

・自動運転、ドローン、著作権など法律系の問題が増えた

強化学習など、より細かい部分が出題されるようになった

・同じ問題でも表現が違う言葉を使うようになった

(・人名などがほとんど出なかった)

 

特に法律系が出題されるという部分に関しては、この傾向は2020年に入ってからずっと続いているようです。

 

私もこれを見てある程度対策していたつもりだったのですが、想定より法律系の問題が多いし、細かすぎました。具体例をあげて説明できればよいのですが、検索で必死だったために覚えていません。(笑)

 振り返ってみてもテキストと内容の乖離がやはり一番の「なんだそれ」という理不尽ポイントですね。テキストにないものは記憶にもないので、検索して答えを探すしかありません。

AI界隈の能力を測定する検定というより、グーグルでいかに早く答えを見つけるかの検索力と読解力を測定されているのでは、、?もっと言えば打ち込まれたキーワードの意図をよむ”グーグル検索の能力"をこちらがテストしているようですらありました。

 

 

JDLAの意図とは?

そもそも傾向がかわったのかすらわかりませんが、傾向が変わったという前提に立つと、JDLAの意図とはやはり最新情報を知っているのかという部分を測定したかったのかなと思います。

 

整備されていなかった法律がどんどん形になってきている段階ですし、さらにAIというかITの世界は他の業界に比べても明らかに進歩が早いです。

こういうところにも対応しているべき!というのが出題者の意図だったのでしょう。

 

もしかすると、JDLA2021公認動画みたいな感じで、各会社が動画を売ってその中に最新動向を含めるようになったりするのかもしれません。G検定を受けるならこの動画みないと合格しないよ形式ですね。

結構細かいので動画にするのにコスパがあうのかという問題もありますが(笑) 

 

 

G検定の受検はしばらくお奨めできない

まだ合否判定が出ていない段階なのですが、受験をしてみて思ったのはG検定はお金と時間の無駄だなというところです。

 

 

"G検定を受ける"ということがビジネスで役立つ気がしないからです。

 

私の(そして一般的な現場の人間の)期待や目的としては、G検定のテキストにゼネラリストとして必要な知識がかかれており、G検定取得の改定でそれらを身に着けることができるということではないかと思います。

 

G検定をパスしているから就職に有利になるとか、そんなことはそもそも資格自体の効力には期待していません。人件費で苦しむ日本企業はそんなに甘くありません。

 

しかし、ふたを開けてみるとG検定の問題にテキストから出てきた問題はごくわずかでした。あのテキストではまったく不足しており、なおかつ古いよって言われているような気分です。

それは正しいのかもしれませんが、公式テキストですらその体たらくではどうやって勉強したらいいのか、、、目的である勉強を達成することができません。

 

 

G検定を受検する代わりに

私は現場で使っているエンジニアですが、一方でもっと泥臭い現場からデータサイエンスで解決できる問題はないかをひっぱりあげ答えを探すゼネラリストでもあります。

繰り返しになりますが、この観点から言うとG検定というのはやはりあまり意味がないな、と思います。自動運転とかドローンとか使わないし、著作権を気にする段階にまで到達することなんてめったにありません。

 

そういう意味ではJDLAは一般の製造業の現場のリアルを知らないのではないかと思います。AIではありませんが、マテリアルインフォマティクスやソフトセンサーの話も一切出てきていませんでした。

 

それではG検定の勉強自体が無駄だったのかというとそんなことはまったくありません。今回不合格だったとしてもよい勉強になったなと思います。

現場の人間の立場からのおすすめの勉強方法としては下記のとおりです。

 

 

おすすめ書籍たち

・エンジニアなら知っておきたいAIのキホン

勉強する上でこれが非常によかったです。おすすめ。

白本の技術的な内容(CNN, RNN, LSTM)に着目してもっと詳細に書いてある本です。「エンジニアなら」と書かれていますが、仮に皆さんが技術系でなくてもこれくらいは知っておいたほうがいいというぎりぎりを狙っているようにも思います。

 

ちょっと細かくて眠くなる部分もありますが、尤度って何?Qって何?という言葉だけ覚えて飛ばしてしまうような部分をもっと細かく解説してくれています。

こういう部分に着目する人というのはかなり原理にこだわる人なので、そういう人から学ぶのが一番です。

 

加えて、なんかチャラいんですよね。ところどころにマリちゃんを狙っているAIエンジニアの小話みたいなのが入っていてそれが箸休めにちょうどよいです。

 

 

・Study-AIの模試(http://study-ai.com/generalist/

AI研究の歴史、直近の出来事、技術に関する基礎的な部分を幅広く勉強するのによいです。まず解いてみて、わからないところをググッて調べるのがいいのかな、と。

たとえばReNetとかはビジネスでも活用シーンがありますが、それができた経緯などを知っていると仕事がやりやすくなると思います。

なんで?と聞かれると難しいですが、たとえば料理でも野菜の旬を知っておいたほうがよりよいものができるはずです。周辺情報と背景情報はある程度知っておいたほうが情報の取捨選択により目的を達成しやすくなります。それと同じですね。

 

本がよければこちらがお勧めです。通称、黒本ですね。公式のテキストをおって勉強していくより、この本を解いて分からないところを調べていくというのが知識の習得に役立ちました。

 

 

人工知能は人間を超えるか

G検定の推薦図書ですね。

正直これをよんでもG検定受験の役には立たないのが現状ですが、この本単体としてみれば面白いです。

技術的な内容というより、松尾教授という日本での第一人者がどのように考えているかを知ることができるのが非常によいです。プロジェクトX私の履歴書が好きな人は好きかもしれません。(あの方向性とはちょっと違いますが)

 

私がG検定を受けて意味がないなと思っているのにも関わらず、悪感情をもっていないのはこの人のおかげと言っても過言ではないでしょう。

一度講演を聴いたことがあるのですが、黎明期から日本でのAI活用を広めるために奔走されている方です。

 

 

・AI白書 

あとは上記ではカバーできない法律部分です。

これが全てカバーしているわけではないのですが、これをよめばこんな要素があるんだということを知れると思います。

問題はタウンページくらいのサイズだというところですね(笑)

 

 

まとめ

G検定受験を迷ってこのページにたどりついた方がいたら、私はやめておけ、といいます。理由はこれまで書いたとおり何に使えるか分からないからです。

ただ、それはディープラーニングを勉強するなという意味ではありません。むしろ勉強はしたほうがいいです。エンジニアにとっては必須のスキルになる可能性があります。

 

その勉強方法を自分なりに導き出せたという意味で、たとえ落ちたとしてもG検定受験に後悔はありません。なんとなく分かった感じを得るためには上記の本を読んで、模試を解いて、というのを何度か繰り返す(2周くらいしたいところ)のがいいと思います。

本を全て買うと8千円くらいかな?G検定の受験費用より安いですね。

 

どれか1冊買うとしたらエンジニアなら「AIの基本」、そうでなければまず人工知能は~」を読むことをお勧めします。

 

G検定を受ける予定の人は、、、Good luck!

 

herumo.hatenablog.com

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