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ラノベ「はたらく魔王さま」21巻 感想 ありがとう、でも凄い続きが気になるんですけど、、、【ネタバレあり・最終巻】

こんばんは、へるもです。

祝!はたらく魔王さま完結!

 

寂しいのは間違いありません。実は当ブログにおいて20巻の感想は人気なんですよね。それこそ月に何百も来てもらえるくらいです。

それだけ愛されているということで、そんな作品がひとつの終わりを迎えてしまう、というのはなんだかちょっともったいない気もします。

 

ただ、長く連載が続けられて、アニメ化もされて(管理人はアニメ組)、完結を迎えられるというのはかなり贅沢な話ですよね。そこはちょっと嬉しいかな。

 

以降、ネタバレありの感想です。ご注意ください。

 

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はたらく魔王さま 21巻

 

 

ぱっと振り返っての感想、もといヒロイントーク

エミリアーー!!

 

やっぱりはずせないのはエミリアのあれこれですよね。

 

作品の流れ的には千穂エンドまっしぐらで、20巻での同居イベントが最後の打ち上げ花火か?(ヒロイン的な見せ場)と思っていたのですが、きっちりと描いてくれました。

 

 

軍人エミリア

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はたらく魔王さま 21巻

エミリアの何がいいってすっげぇ優しい上にpractical(実践的)なの。エミリアさんの助け方って。魔王が具合悪いの察してタクシーで送ってきてくれたり、様子を見るために添い寝してくれたり(語弊)、おじや作ってくれたり、、、

 

作中では(主に金とヒロイン関係で)ぼろくそにいわれたりすることもある魔王ですが、彼って結構格の高い存在なんですよね。スキル的な意味で。そんな彼を助けるというのは至難の業です。

だってだいたい助ける必要がないんだもの。放っておいてくれてもなんとかやっていけますよ?ってな感じ。

 

ただ、それは彼が自立していると振舞えるってだけで、別に完全無欠の人物ではないんですよね。体裁は取り繕えるけど、本当につらいときに辛いはあるし、だけどそうとは言わない。言えない。それが彼です。

そして魔王が取り繕った体裁を掬い取って、目的を果たすまで待って、力尽きた後に助けてあげられるのが今回の彼女の役割でした作中で一番進歩したのは彼女かもしれません

 

目標は最優先、その後は生き残るために護送して治療して、と必要最低限かつ効果的なものを施すエミリアの姿はいかにも元勇者(軍人)っぽくてかっこいいな、と思いました。

 

助けておじやを作るというヒロイン力を見せた恵美のイベントはこれで終了かなと思っていたのですが、、、、

 

 

ホーリービタン

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 はたらく魔王さま 21巻

 !!!!

まじかぁ。エミリアまじかぁ。やるなぁ。

魔力を得るためとかいってますけど、それ口移しの必要あったんですか??ホーリービタンが含んでいる聖法気量なんてたいしたことないでしょう?

キスしてみたかっただけでしょう??

 

うーむ、強い。ヒロイン力強い。慌てふためいたりしていないのが凄くよいですよね。彼女はどこかの段階ですると決めていたんでしょう。実際、彼女が倫理的に問題なく勢いに任せて攻めるにはこのタイミングしかなく、エミリアはそこにばっちり合わせてきました。

 

そして、彼女の攻めが発動したのは魔王が目を覚ましてから。

魔王の寝込みを襲って体力回復させて→(魔王)「なんだか体が軽くなったような、、、そういえば夢見心地で柔らかいものを、、、」なんて鈍感系?な対応は許しませんでした。

彼女のキスは魔王が認識できる範囲で。

  

もちろん、エミリアには略奪愛なんて発想はなかったと思います。アラス・ラムスの父母問題は彼女の意思を後押ししていたはずですが、ここの行動はなくてもよかったはずです。むしろ、今後のことを考えるとないほうがよかった。

それでも関係性が固定化されてしまう前に、最終決戦の前に、なおかつ想い人の心を揺らせるように、勝負を仕掛けた彼女のいじらしさには胸をうたれるものがありました

(勇者エミリアのダークサイドが示された部分でもあるのでそれについて考えてみるのも一興かも。背徳的な意味で(笑))

 

 

エメラダ

ちなみに彼女がキスの言い訳に使ったホーリービタンはエメラダからの援助物資です。エメラダwオウンゴールwwって気分でしたね。(笑)21巻ではエメラダについて触れられることは多くはありませんでしたが、エメラダについて語らずにはいられません。

 

エメラダってエミリアの健やかな成長に凄く貢献したと思っています。

生物兵器とか少年兵とか、非人道的な扱いを受けたようにも見える勇者エミリアがまっとうな人間性をもてたのは彼女のおかげなんでしょう。少なくとも作中で積極的にエミリアを保護したのは彼女だけです。

いわば、「エミリアは私が育てた」。

 

20巻でエメラダが魔王に対して敵愾心を見せたのは、エミリアが魔王に惹かれていることに気づいており、だけど、魔王はエミリアを”道を踏み外してもおかしくない状況”に陥れた存在であるという矛盾を消化し切れなかったからではないでしょうか。 

herumo.hatenablog.com

 

ただ、子供って大人が思っているより大人で、自分なりにものごとを決めることができて、完全に制御できないものなんですよね、、、きっと。

エミリアを守るためのアイテムが、エメラダのいってほしくない方向に使用されたのはその象徴のようです。このシーンは保護者たるエメラダからの巣立ちであり、彼女の物語(with 保護者エメラダ)が彼女だけの物語になったのかなーと思いました。

完全に妄想ですけどね。

 

 

ストーリーテラーは何者か

さて、本編のストーリーに主軸をうつします。結構、、、結構壮大なストーリーでしたよね。

 

セフィロトが選ぶ人類は一種。異なる惑星からの異邦者(イグノラなどの天使勢力)か、エンテイスラの人間や魔族たちか?

数で勝る人間たちに対抗するために策を打つイグノラ(急進派・上位存在になりたい)、イグノラに対抗するライラ(穏健派)、イグノラがやりすぎてどんびきするガブリエル(急進派の裏切り者)、それぞれに思惑があるセフィロトの子供たち。

 

介入されている側のエンテイスラ側の政治もあって、事情が複雑すぎ、登場人物が多すぎてわけがわからなくなってしまいそうです。よくもまー着地させたな。

 

個人的にはイグノラが宗教機構で人間の意識を支配しようとするも、その宗教機構の一部を書き換えて対抗したりするあたりは結構あつくて好きです。

 

あと、イグノラもライラも子供放置プレイに走るという点は共通で、二人のストーリーテラーの勝敗を分けたのは子供とどれだけ早急に和解できたかという部分もよい。ストーリーテラーであれど、母という属性があったということですね。

ここらへんは魔王だけどフリーター、人間の女子高生だけど異世界の救世主?、あたりのギャップに通じるものがあって面白いですね。

 

 

日本の話なのか異世界の話なのか

はたらく魔王様は両者の話ではあったんですけど、メインストーリーはほとんど理解していませんでした。どんどん新しい人や展開が出てくるので繋がらないんですよね。

キナンナの介護をし始めたときはさすがに投げ出しそうになりました。

 

ただ、それでも読めたのは、ヒロインに魅力が大きかったのが大きく。そういう意味では単純にボーイミーツガールの話だったと捉えるべきかもしれません。神や天使の話ではなくてね。

 

先発ちーちゃん、リリーフ鈴乃、遅れてきたエースのエミリアに、抑えのちーちゃん(!)

 

 

千穂

https://twitter.com/ryozi178/status/1291684219668713472

やはり、千穂エンド。

収まってみるとこうなるしかないなという終わり方でした。 普通に考えたらそうなりますよね。

真奥が千穂を振る理由が思いつきませんし、エミリアを選ぶ理由も思いつきません。あるとしたらエンテイスラと自由に行き来できなくなるエンドでしたが、21巻はもろともエピローグでその選択は否定されていました。(21巻の最初のほうから交流している姿がうかがえる)

 

ってか、ちーちゃんの健気さとかを考えると、真奥がほかにいくとないわーって感じですよね。

 

ただ、なんとなく自分の中では千穂<エミリアだというのを感じていて、それはなぜかと考えたのですが、彼女はずっと真奥のことが好きだったからだろうというのがひとつ彼女の変化に読者がついていけなかったのがもうひとつだろうな。

 

たぶん人間って物事を相対値でしか見れないんですよね。

前は嫌われていたけど、今はすかれているという状況なら、好意の上昇分があるのでそこにヒロインとしての魅力を感じれるのですが、ちーちゃんは最初から好意maxで、その状況は変わりません。

じゃぁ20巻で何が変わっていったのかというと、”社会との関わり方”。1巻でヒロインしてた巨乳妹系後輩がエンテイスラで立身出世していったぜ、、、

(なろう系主人公といわれたり)

 

魔王やエミリアが日本で生活拠点を得ていった対比として、ちーちゃんは異世界での立場をえているようで、完全にもう一人の主人公ってかアナザーサイドストーリー。なんなら魔王より出世してるよ。

つまり読者的には好意レベルが上下動せず、一方で社会での影響力を増していくちーちゃんはヒロインじゃなかったのではないか、というのが管理人の意見です。

指輪関連で病院送りになったときあたりはまだヒロインらしさがあったのですが。

(女性の社会進出が望まれる現代社会ですから、こういうラノベヒロインもありなのかなーと思います。)

 

ただ、そうはいっても器がおおきなった末に一夫多妻制を推すちーちゃんは面白かったです。もうちょっと早い段階で一夫多妻容認派を作ってエミリアをからかったりしても面白かったのでは?

ただ、そういうキャラって正規ヒロインの立場がちょっと怪しくなっちゃうしな、、難しい。

 

 

 鈴乃

鈴乃はなーやはりこうなってしまったか。

 

彼女は良心的である”だけではなかった”エミリアの映し鏡ですかね?

よき理解者、思慕者、実力者。ほしいものを欲しいといい続けないと、欲しいものが手に入らない世の中の無常。

 

ただ、彼女はほかのヒロインに比べて大人であることが求められる立ち位置だった(見識にしろ、年齢にしろ)のでしょうがないかな、とも。

 

戦闘面では割と強いけど強いやつには負けてしまう、諜報組織のボスとして優秀、政治屋としては基本的に優秀だけど経験が少なくて連携に手落ちがあったり、という基本的に有能だけど得意不得意のある人間くささのバランス感がすきだったのでちょっと悲しいです。

 

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はたらく魔王さま 21巻

ってか一夫多妻制に鈴乃を入れるのはだめなのだろうか?

うどんやお遍路を楽しむのはいいのですが、挙動がいきおく、、、。まぁ彼女はいいところの生まれで童顔なのでどうにでもなるのかな?

 

彼女は戦争時代に汚れ仕事を担っていたしんどい立場の人間なのでもう少し救いがあればうれしかったかな?まーみんながみんないい感じになるわけではないよね。って感じでしょうか。

 

 

エピローグの21巻

読み始めておやっと思った人は多いのではないでしょうか。何しろ、20巻時点では話がまとまる感じなんてほとんどなくて、それがいきなりサリエル専業主夫ですからね。最終決戦おわっているやん。

20巻が出たのは1年以上前なので、もしかしたら苦悩の1年だったのかもしれません。鈴木リカの裏ストーリーとか明らかに重いし、㈱まおう組と芦屋のストーリーと一緒に本編に組み込まれる計画とかあったのではないでしょうか?

つまり、もう少し長くなる予定があったのでは?

 

真偽はわかりませんが、私はまるまる21巻をエピローグのようにしてくれたのはよかったなと思います。

最終決戦は私はどうでもよくて(どうでもよいわけではないですけど)、明確にわくわくできるのって真奥や恵美が日本で?エンテイスラで?どう生きるのか?っていうところなんですよね。

 

普通のラノベだったら最終決戦のあとに一章を使って、ついでかのように後の生活を書くと思うのですが、それだけだと物足りないなと思っています。終わりに向けて気持ちが付いていかないというか。

 

はたらく魔王さまは最終決戦とその後の話がいったり来たりするなかでいろんな関係性が見えてきたりして、あの世界でキャラクターたちがどう動いているかというのが見えるのがよかったです。

一巻まるまる使ってくれたおかげで話を読み終えたときのやりばのない虚しさみたいなのもあんまりなく、晴れ晴れとした気分。

これからも何となく読み返したくなっちゃいますね。

 

 

はたらくまおう様とはなんだったのか

この作品は凄く珍しい形だったな、と思います。ラノベはずいぶんとよんできましたが、現代日本をこうもラノベに移植した作品はなかったように思います

 

特に00年代は日本をベースにした学園ラノベがたくさんでてきたのですが、そこで描写されてきたのは子供の目線か、プロすぎるプロの目線(お仕事系とかSFででてくる警察とか)でした。

よくも悪くも、作品やその物語のために、現代日本の一部を切り取って再利用している感じでしょうか

 

はたらくまおうさまでは、ちょっとニュアンスが違いましたよね。

生活の糧をえるためにバイトをしたり、仕事に遅れるからと世界からの闖入者を待たせたり、物語のストーリー進行の上で”仕事の穴”をあけないために立ち振る舞ったり。

この作品は、物語内に現代日本を再現しようとしていたのだなと思います。

 

この按配ははたらくまおうさまの刊行とともに大学生→社会人となり上京した私にとっては既視感のあるものでした。

真奥や恵美にはなんとなく共感を感じ、なんなら凄く親しいわけではないけど会えば話はするくらいの友達のような気もして、作品の終了はとりわけ寂しく感じます。

 

 

まとめ

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はたらく魔王さま 21巻

最終決戦で人死にでるかも!みたいな緊迫感を期待していた人にはちょっとあれだったかもしれませんが、大満足な21巻でした。

およそ10年くらい、ありがとうございました!

 

 

 

 

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