漫画「ワールドトリガー」21巻感想 続きが気になりすぎてしょうがない【ネタバレあり】
こんばんは、へるもです。
ワールドトリガーの感想を書くのは初めてですね。最初はウルトラマンかよ、、、(笑)と思ってスルーしていたのですが、10巻ちょっと前から嵌って以降、管理人の熱は冷めません。そんなワールドトリガー21巻の感想です。
いつものごとくネタばれがあるのでご注意を。
ワールドトリガー 21巻 葦原大輔著
もてるものの悩み
ワールドトリガーって時々重い話いきなりぶっこんできますよね。今回のチカの話がそうでした。
チカが怖いのは他人を傷つけてしまうということより、その結果、どう思われるかということなんですね。
ワールドトリガー 21巻 葦原大輔著
自分のことを責める描写がありましたが、管理人的にはなんて健気な子なんだ、と思ってしまいました。トリオンが多いのも、ネイバーに襲われたのもチカにとってどうしようもありません。そう割り切ってもよかったはずです。
それでも彼女が選んだのは苦悩の道に迷い込み、(ボーダーに入るまで)一人でいることを選ぶということでした。
というか、チカは今回の”答え”をある程度自覚していたのではないかな。
ヒュースとの問答で初めて分かったかのような描写でしたが、幼い頃からの自分の行動の答えをここまで自己分析できたという部分からそう感じます。
鳩原さんという本当に"人を傷つけるのが怖い"人を登場させて、チカ打てない=人を傷つけるのが怖い、という部分に説得力をもたせながら、それを踏み越えてチカを追い込んでいく葦原氏は鬼ですねぇ。。。
ワールドトリガー 21巻 葦原大輔著
ちなみにこの年上組が冬の地べたに座って話を聞いているのがとてもスキです。
そこに言及する何のセリフもありませんが、圧迫感を与えずにチカの話を聞こうとする二人の優しさがにじみ出ています。
戦争の足音
今回チカに決定的な気づきを与えたのは、撃たなければ修やユウマが死ぬかもしれない、という状況の提示でした。
これまではベイルアウト機能があったので、そうそうは死なないはずなんですね。10巻で死に掛けていましたが。
しかし、敵の本拠地に攻め込むということでその限りではありません。現に軍人ヒュースはその状況を当たり前のものとして扱っていました。
サバゲー漫画などと揶揄されることもあるワールドトリガーですが、着実に物騒な世界に進んでいます。実際、vs. 香取隊や旧ボーダーの話では悲惨な世界が描かれました。状況が進み、ヒヤヒヤする感じが出てきましたね。
人が死んだりするのだろうか。
主観と客観という対比構造
チカの話が登場して思いましたが、ワールドトリガーでは自分が他人をどう定義するかという主観という軸と、他人が自分をどう定義づけるかという客観という軸を非常に重視しているように思えます。
主観に関するテーマがあるということはいうまでもないですね。こちらはストーリーに大枠を与えるために使われています。
ネイバー(隣人)であるユウマを敵とみなすか、味方とするか、そんな戦いをしていたのが物語の序盤です。そして未だに本部(排他的)vs. 玉狛第一(融和的)の構図は崩れていません。
今後、ネイバーの世界に遠征していく上でも、ヒュース(おそらく迅やレギーも)がキーパーソンとなることで、このテーマが語られていくでしょう。
客観に関しては扱いの毛色は少し違っていて、個人間の関係性という小さな枠組みの中で使われていました。
今回のチカがそうですし、エマもそんな感じですね。他人からどう思われようがどうでもいい風を装っていますが無関心な人はそんな発想すらありません。今回出てきたガンナー1位の人のように。
もっというとボーダーのランキング システムなんて究極の客観視です。香取隊長は誰かに何かを思われることには無頓着そうですが、ランキングシステムには囚われているように見えました。
大きな流れを捉えると自分はどう考えるべきか、というテーマがあるのに、細かい部分にフォーカスすると自分はどう考えられているのか、という繊細さが見え隠れします。
物語を回しているのが主観と客観の両輪であり、この対比構造がうまい具合に緩急をつけてくれているなぁと思います。
チカにとっての救いとは?
コウの悩みは過ぎる力が場を壊すということで、それを解決に導いたのは仲間の力でした。
それではチカの救いは誰がもたらすのでしょうか、もちろん本人の努力が重要なのはこの漫画の不文律ではありますが、修やユウマであってほしいなとも思います。
2015年のキャッチコピーですが、私の気分として、これほどふさわしいものもないです。
対比構造と死亡フラグ
対比といえばオチャラけキャラなのに根はくそまじめっぽい迅も対比という業を背負っています。
死ぬと武器になるというブラックトリガーという設定、固有武器に緊急脱出スキルなし、未来予知という強能力、強い力には枷をはめる神葦原、記念絵ではどんどん武器がダウングレード。
未だに生きているのが不思議なくらいの死亡フラグを積み重ねている彼ですが、未来はどうなるのでしょう、、、
最終戦
さて、まじめな話はここまでにして最終戦です。本巻中盤は各自の戦法の話でしたが、改めてワールドトリガーの凄さを感じます。
タイマンに強い二宮隊長はむしろタイマン中が一番狙い目かもとか、二宮隊長は割りと感情的とか、いっていることが全部納得いくし、凄く合理的なんですよね。しかも、各隊でバラエティ(個性)がちゃんとある。
これを満たしている漫画ってほかにあったかな?
コナミぱいせん
そういえば本巻は大人気キャラ?コナミぱいせん大盛りでした。
ワールドトリガー 21巻 葦原大輔著
最初こそ大人美人感ある解説役でしたが、、、
ワールドトリガー 21巻 葦原大輔著
どんどん観客みたいな感じに、、、(笑)
ハイライト
やはり熱かったのはヒュースの防戦でしたね。
軍事国家アフトクラトルの精鋭軍人の名にふさわしい戦いです。王子の「なんであれで死なないんだろうね・・・」が特によかった。強キャラからの賞賛ほど箔が付くものはありません。
そして詩織オペレーター超有能です。
4人チームが少ないのはオペレーターの指示が追いつかないからという理由ですが、余裕でずっとモニタリングしています。ヒュースの活躍も彼女の支援があってのものでしょう。
全巻で停電したときもフンフン言って対応していましたしオペレーター能力順位はかなり高いんだろうなぁ。そういえばオペレーターに順位ってありましたっけ?何となく綾辻さんとか怜悧な感じな人(名前忘れた)が有能感ありますが。
この先どうなるのか?
修は立てた作戦は今回だいたい空回りです。ちょっと悲しいですね。
チカオラ(チカのメテオラ)が狙撃さえされなければ、、、!ていうかあれ射出前も狙撃できるんですね。ちょっとびっくりしました。
チカオラ強すぎ問題にはこうやって縛りをかけるんだな。
辛くもいきのこった二人に(チカの瞬時の判断凄くね?)、フラグたちまくりのvs. 二ノ宮隊長、落とされそうだけど活躍の場を残しているヒュースのバイパー。
さすがの最終戦で見せ場がてんこもりです。
ヒュースが落とされたら修が相手をするのでしょうか?次が楽しみですね!