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【ネタバレあり】アニメ「ゴブリンスレイヤー」1~3話 感想 なろう小説とは思えないダークさだ

こんばんは、へるもです。

 

問題作?ゴブリンスレイヤー 1話、2話、3話を見ました。その感想です。

 

(11/17追記)

なろう小説ではないという指摘を受けました。

確かに。正しくはやるおスレです。 

 

「俺は世界を救わない。
 ゴブリンを殺すだけだ」

 

辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。


冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。

彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく。
そんな彼に振り回される女神官、感謝する受付嬢、彼を待つ幼馴染の牛飼娘。
そんな、彼の噂を聞き、森人(エルフ)の少女が依頼に現れた――

ゴブリンスレイヤー公式サイトより

 

噂に惑わされてはいけない

 

悪名高きゴブリンスレイヤー。漫画があまり面白くなかったのと例のシーンの目立ちようでちょっと避けていたのですが、ところがどっこいそこらのなろう小説とは一線を画す重く暗い雰囲気を放っていました。

 

ダークファンタジー

1話を見れば例のシーンはストーリーのほんの一部分に過ぎないと分かり、2話を見たらOPのかっこよさに引き込まれるのは間違いない。

主人公であるゴブリンスレイヤー機械的あるいは無表情にゴブリンを駆逐していきますが、その裏にある激情や磨耗した感情を感じ取れる部分も有り、「ベルセルク」を思わせるダークファンタジーに仕上がっています。こういう作品って意外とないような気がします。

 

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ゴブリンスレイヤーOPより ©蝸牛くもSBクリエイティブゴブリンスレイヤー製作委員会

 

タイトルのところで血のようなものがたれてくるのはかっこいい。なんとなく古いアニメを思い出す。モチーフとしてサイコロがよく使われるが、冒険者の生死はサイコロをふって出た目で決まるようなものということを暗喩というような感じがする。

 

製作会社の演出力が凄い

この本格ダークファンタジー感というのは、個人的には製作陣の力が大きいと思っています。制作会社のwhite foxは、喜劇にしろ悲劇にしろ原作の雰囲気をうまく表現しつつ随所にアレンジを加え、見てほしい方向に視聴者の意識を向けるのが抜群にうまい。

これまでの製作を見ているとなんか凄く、「シュタインズゲート」「ご注文はうさぎですか」「リゼロ」などなど、ヒット作を連発している。(ちなみに管理人は「はたらく魔王さま」「少女終末紀行」あたりが好きだ。本題から外れるが是非見てほしい)

 

ゴブリンスレイヤー」はゴブリンだったり生意気な女キャラが1コマ落ちの如く即効で陵辱されたりと、ネタ(として軽く扱われてしまう)要素の強すぎる成分を多く含んでいます。

 

が、人間にしてもゴブリンにしても相手が倒れこんだところに追撃したり、弱い存在には容赦のない描写が続きます。人間が負けるときは男は殺され、女は陵辱。ゴブリンが負けるときは皆殺し。

理想論や都合のいい解釈にすがるばかりであった神官もゴブリンスレイヤーの冷徹で正しい論理を諦念の情をもって現実を受け入れる、という苦い結末が一話でした。

 

演出方法を間違えるとB級ゾンビ映画のような恐怖より笑いを楽しむコメディ調になっていたのかもしれませんが、徹頭徹尾、真顔で物語を進行することでそのようなネタ要素をきちんとシリアスさに昇華させました

 

子ゴブリンを根絶やしにする場面は、結構嫌な気分になりました。直接的な描写は抑えられ抽象的な表現にとどめられたのですが、それだけでもこんな気分になるのだなと驚きました。(というか被害を受けたのはゴブリンなのに)

少し大げさな言い方をすると、視覚情報としてのゴブリンが排除され「子供」「洞窟の隠れ穴に隠されていた」「将来のために根絶やし」などの情報だけが残ることで、似たようなことが起こっていた(いる)であろうこの世界の陰惨な部分を想起してしまったのかもしれません。2話では「俺はやつらにとってのゴブリンだ」とつぶやきますが言いえて妙ですね。 

 

BPOへの苦情

少女が襲われるシーンは青少年に悪影響を与えるという意見がBPOに寄せられたようですね。

 

賛否両論ありそうというのは確かにうなずけるところではあります。昔なら深夜にしかやっていませんという体での表現だったのですが、最近は動画配信サービスでいつでも見れますしね・・・BPOは放送関連の団体なので深夜だからセーフですという回答をしているようですが。結局、この種の問題は表現の自由はどこまで保護されるべきかという点に集約されます。

ただ、スマホでいろんな情報に接することができる現代において、アニメをはじめとした創作物への規制に力を使ってもしょうがないはずですし、正直くだらないとも感じます。そもそも悪影響があるのか?悪影響とは具体的に何なのか?という議論や調査がない時点で生産的なことにはならないでしょう。

 

あのシーンはどうしても必要だった

表現という意味では今回のシーンは必要不可欠でした。

このストーリーの根本は「ゴブリンに恨みを持つ普通だった青年の執拗なまでの復讐劇」ですが、ゴブリンが現代社会における鼠とかゴキブリ位の迷惑度だとしたら物語としてしまりのないものになってしまいます。ゴブリンはいかに残虐性か、一般人にとってどれほど脅威かという点を示し、主人公の行動原理を描く必要がありました。

 

別の形で示すこともできたのかもしれませんが、姉が殺されたという回想の前に、敗北者が辱められ殺されるシーンがあったからこそゴブリンに執着する主人公の常軌を逸した行動に説得力が生まれました。

初心者冒険者パーティの全滅が本作品を本作品たらしめたのかもしれません。

 

というか男の冒険者も真っ先に犠牲になっていますので、それを見ずに女性蔑視というのも凄い話です。

 

魅力あるキャラクターとストーリー

普通にデザインいいですよね。

女の子はかわいいし、神官や受付を目当てに視聴を続けているゴブリンさんも多いのでは。

 

例によって受付の人(美女)は主人公への高感度が高いんですが、嫌な仕事を率先して引き受けてくれるゴブスレさんを頼りにするっていうのはよく分かります。社会人としては。(笑)そこらへん自然ですよね。

 

旅の道連れがエルフとドワーフ竜人というのもよい。普通の冒険モノと思いきや冒険要素はあまりなく、ひたすらゴブリン退治をするだけというギャップがあります。いい意味でテンプレキャラが出てくることで、ゴブスレさんの抱える歪みがいい感じの匙加減で表現できていると思います。

 

神官の面倒を見たり一般的な善良さをもちあわせていながら、偏執なまでにゴブリンを狙うというのは異端なのでしょうね。このあたりの私の感覚に近いのは、アメリカとメキシコの国境でトレーラーハウスにすむ自警団の人たちでしょうか。

不法移民に仕事を奪われた恨みはわかりますが、何もないサバンナのような場でひたすら彼らの追跡や監視を行うというのは正直理解できません。彼らは寄付で生活しているので職業の一形態と理解もできますが、トランプ政権が崩れるとどうなるか分かりませんし、そんなことして何になるの?みたいな。。

 

あるいは不法移民も人だということで水タンクを置いて助けようとする人たち。別に法律に反しているわけではないのですが、資本主義経済の中で利を生まない一つのことに執着している様をみると異様に感じます。私達オタクも一般人からみたらそうなのかも。

 

 一話が山場で後に失速といわれていますが、一つのファンタジーとして面白い作品だと思います。今後どうなるのか楽しみですね。

 

 

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