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ラノベ「幼女戦記」12巻 感想 評価が分かれそうなイルドア編 前夜祭は怒涛のおっさん祭り【ネタバレあり】

こんばんは、へるもです。

 

1年ぶりにラノベのほうの幼女戦記が発売されましたね。

あとがきでは2月に連続刊行とか書いててちょっと笑いました。

2019年2月、2020年2月に刊行されたら確かに”2月に連続刊行”

 

そんなイルドア編12巻の感想です。

ネタバレがあるのでご注意ください。

 

ぱっと振り返って

そういえば幼女戦記ってこんな感じだったな、と思い出しました。

くどくど、くどくど、、、悪くはないのですが、正直、、、疲れたぁ

 

よく触れる幼女戦記というのは幼女戦記(漫画)ですし、昨年公開された映画もガンガン動いていたので華やかなイメージがあったんですよね。

今から思えば、なんというか幸せな妄想?みたいな?(笑)

 

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幼女戦記17巻より

 

 

華やかさなんて、ない

が、本巻序盤では怒涛のおじさんラッシュ

しかも出てくるのはロリヤ(元祖変態)ゼートゥーア(シブおじ)カランドロ(イケおじ)レルゲン(胃痛おじ)幼女(中身おじ)と中身が濃すぎる連中ばかり。

そしてそんなおっさん達が繰り返すのは戦後秩序をどうしたいか、という点をすごーく引き伸ばした会話劇です。

 

幼女戦記ラノベ)の批評に”くどくど同じようなことを持って回って何度も繰り返す”といったものがあったことを思い出します。

華もない、爽快感もない、、、!あるのは糞みたいな戦争だけ。

これだ、、、これが幼女戦記(本家)なんや!

 

そんなことを思いつつ読んでいたので、冒頭の読破に3日くらいかかりましたね。

あールーデルドルフさんが如き激情おじさんは分かりやすくてよかったなぁと嘆息してしまいました。

 

 

冗長が生むもの

まさかトスパンやらメーベルトに”ほっ”とすることが来ようとは!

 

繰り返しになりますが、ゼートゥーアがなぜイルドア攻めたのか?の説明パートは本当に読むのがつらかったんですよね。非常に長いし、驚きもない。

小説のおまけの4ページの説明ですむ部分を100ページ近く使って、なおかつさも凄いことのように説明されるのは、あんまり尊敬していない職場のおっちゃんの自慢話を聞いているような気分になりました。

(ごめん、ゼートゥーア)

 

凄いところ出てくるのかな?と思って身構え続けるのは想像以上に疲れることだったようです

 

ひるがえってトスパンやメーベルトの登場シーンといったら

歩兵:歩兵は絶対引かない陣地を作ったらいいのでは?←逃げることを考えていない

砲兵:弾いっぱいあるの?大砲うってもいいの?(キラキラ)

 

THE・いつも通り!しかも簡素!

分かりきっていることを、必要な短さと十分な感情量で見せてくれた両者には感動すら覚えてしまいましたね。(笑)

管理人の中では間違いなく12巻ベストシーンでした。

 

 

ハイマートって何?

ゼートゥーアさんが無理をしてでも合衆国を戦争に引きずり出そうとしているのはこのままだと連邦一人勝ち→ハイマートが守られない、ことを危惧したものでした。

 

ハイマートって何だ?って思って調べてみました。

ドイツ語で故郷・郷土という意味で、単なる出身地という意味だけではなく、郷愁やセンチメンタリズムも込められているようです。

 

つまり、ゼートゥーアさんは母なるライヒをできるだけそのままの形で残したいがための戦いをしているんですね。負けるのは必定であるのに。

 

その果てにあるのが自殺したら楽になるのでは、という発想すらしてしまう、友を失った孤独な老人の姿です。

これがゆえでしょう。ゼートゥーアかっこいい、という感想も見かけました。

 

ここらへんが評価の別れどころかな、と。

ゼートゥーアの生き様に共感できれば本巻に素晴らしいといえるものになるでしょうし、文章の冗長さが生き様への共感や戦略に対する驚きを下回れば、ちょっと疲れたなと思ってしまいそうです。

 

管理人はどちらかといえば後者より、、、かな。

読破している以上、ある一定の面白さがあったのですが、序盤の冗長性があとを引きました。最初の評価が後にも続くというのは初頭効果というらしいです。

 

 

メアリーさん

もはや定番になっていますが、メアリーさんの暴走は組織人として身震いしますね、、、自由すぎる。

 

そして、それに続くメアリーさんの一人称視点は別の意味で身震いしました。

こいつまじで頭おかしいな、的な感じがよくでていましたよ。

他者からの反応を排除した一人称視点だけの文章は”ひぐらし”のL5の描写のようでした。。。

 

 

ドレイク

上司のドレイクは登場シーンが少ないながらきらりと光っていましたね。(笑)

メアリーの暴走にひっかきまわされ、”悪魔”からは人道に反する武器を使うな/叙勲してあげるから同士打ちしていた人たちの姓名を教えて、などという電報が届いて、、、

 

電報のところので何がおもしろいってドレイクさんはあんまり関係なさそうなところですよね。

散弾銃を使ったのは合衆国、同士打ちで港湾部を破壊していたのは合衆国とイルドア、、、

リーダーだから責をかぶるのはまぁしょうがないとはいえ、他人のミスが降りかかってくる多国籍軍の恐ろしさよ。

避難民を使った兵站攻撃をしたのがゼートゥーアなら、始末書によるドレイクの処理能力攻撃を行ったのがターニャであり、ここらへんの相似形もくすりと来ます。

 

 

今後の世界観

ある程度WW2をなぞってきた幼女戦記ですが、12巻からは決定的に異なる世界観に分岐しました。

冷静に考えると、史実の二正面作戦(ノルマンディとか)を幼女戦記の世界観の中でリメイクしたらいいだけで、寄り道したけどやっぱWW2みたいな感じになるのかなとも思いますが、ちょっと楽しみです。

 

 

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